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「舌が白い」「黄色っぽい」そんなことはありませんか?
このような変化が気になっている方は少なくありません。
舌の表面が白色や黄色っぽく見える原因の多くは、「舌苔(ぜったい)」です。
舌苔は口臭の原因としてよく知られていますが、近年では、口の中の細菌が産生する発がん性物質「アセトアルデヒド」との関連についても研究が進んでいます。
この記事では、舌苔と口臭の関係、口腔がんとの関連研究、そして正しい舌磨きの方法について、歯科医師がわかりやすく解説します。

舌苔(ぜったい)とは?
舌苔とは、舌の表面に付着した白色や黄色っぽい汚れのことです。
舌苔は単なる食べ物の残りではありません。
- 細菌
- はがれた粘膜細胞
- 唾液中のタンパク質
- 食べ物の残り
などが、舌の表面にある無数の「舌乳頭」の隙間に蓄積して形成されます。
健康な人でも多少の舌苔はありますが、厚く付着すると口臭や味覚への影響が生じることがあります。
舌乳頭の隙間に細菌や食べ物の残りなどが蓄積すると、舌苔が形成されます。

舌苔は口臭の大きな原因
舌苔には多くの細菌が存在しています。
これらの細菌が唾液や食べ物に含まれるタンパク質を分解すると、
- 硫化水素
- メチルメルカプタン
などの揮発性硫黄化合物(Volatile Sulfur Compounds:VSC)が発生します。
これらは口臭の主な原因物質として知られています。
実際に、口臭が強い方ほど舌苔が多いことが、多くの研究で報告されています。
そのため、口臭予防には歯みがきだけでなく、適切な舌磨きも重要なセルフケアの一つです。
舌苔と口腔がん研究
近年注目されているのが、「アセトアルデヒド」という物質です。
アセトアルデヒドはアルコールが分解される過程で生じる物質として知られていますが、口の中の細菌もアルコールや糖を利用してアセトアルデヒドを産生することがあります。
アセトアルデヒドは国際がん研究機関(IARC)でヒトに対する発がん性がある物質(Group 1)に分類されており、口腔がんだけでなく、咽頭がんや食道がんとの関連も知られています。
ある研究では、
「舌苔が多い人ほど口腔内のアセトアルデヒド濃度が高く、舌苔を除去するとその濃度が低下した」
ことが報告されています。
つまり、舌を清潔に保つことは、口臭予防だけでなく、お口の環境を良好に保つことにもつながる可能性があります。
舌磨きだけで口腔がんは予防できる?
ここで誤解してはいけない点があります。
現時点では、
舌磨きだけで口腔がんを予防できることは証明されていません。
研究ではアセトアルデヒド濃度が低下することは示されていますが、それによって実際の口腔がんの発症が減少することまでは証明されていません。
そのため、「舌磨きをすると口腔がんにならない」と断定することはできません。
一方で、
- お口の中を清潔に保つ
- 舌苔を減らす
- 細菌数を減らす
ことは、お口の健康維持のために大切なセルフケアと考えられています。
正しい舌磨きの方法
舌磨きは、強くこするほど効果が高くなるわけではありません。
ポイントは、
- 専用の舌ブラシを使用する
- 舌の奥にブラシをあてる
- 奥から手前へやさしくなぞる
- 力を入れすぎない
- 1日1回程度で十分
ということです。
強く何度もこすると舌を傷つけ、痛みや炎症の原因になることがあります。

こんな舌の症状は歯科・口腔外科へ
舌が白いからといって、すべてが舌苔とは限りません。
次のような症状がある場合は、歯科医院や口腔外科を受診しましょう。
- 白い部分がこすっても取れない
- 赤い斑点がある
- 潰瘍が2週間以上治らない
- 舌にしこりがある
- 出血しやすい
これらは口腔がんや前がん病変などの可能性もあるため、早めの診察が大切です。
気になる症状が続く場合は、自己判断せず、歯科医院や口腔外科で相談することをおすすめします。
参考文献
- Yokoi A, Maruyama T, Yamanaka R, Ekuni D, Tomofuji T, Kashiwazaki H, Yamazaki Y, Morita M. Relationship between acetaldehyde concentration in mouth air and tongue coating volume. J Appl Oral Sci. 2015;23(1):64-70.
- International Agency for Research on Cancer (IARC). IARC Monographs on the Evaluation of Carcinogenic Risks to Humans, Volume 100E: Personal Habits and Indoor Combustions. Lyon: IARC; 2012.







