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2026.06.25
お口の健康
根管治療を成功に導くために本当に大切なこと

根管治療について調べると、マイクロスコープやCT、さまざまな最新機器の話を目にすることがあります。

もちろん、それらは診断や治療の精度を高めるために役立つ大切な道具です。

例えばCTは複雑な根の形や根の先の炎症の状態を把握する際に役立ち、マイクロスコープは感染した歯質の確認や精密な処置に役立ちます。

ただし、これらの機器が必要となるかどうかは症例によって異なります。

大切なのは機器そのものではなく、感染した歯質を取り除くこと、根管内を丁寧に洗浄すること、治療中の汚染を防ぐこと、そして治療後の再感染を防ぐことです。

必要に応じてCTやマイクロスコープを活用しながら、こうした基本的な処置を確実に行うことが重要です。

根管治療の成功率

根管治療は、感染した神経や細菌を取り除き、歯を保存するための治療です。

多くの研究では、適切に行われた根管治療は約80~90%で良好な結果が得られることが報告されています¹⁾。

しかし、成功率は100%ではありません。

では、その違いはどこで生まれるのでしょうか。

成功率を左右するのは「細菌の量」です

根管内を完全な無菌状態にすることは、現在の歯科医療でも容易ではありません²⁾。

根の中には複雑な枝分かれや細かな凹凸があり、すべての細菌を除去することは難しいためです。

そのため根管治療の目的は、細菌をゼロにすることではなく、細菌数をできる限り減らし、その状態を維持することにあります。

研究では、治療を終える時点で歯の中の細菌が少ないほど、良好な結果が得られることが報告されています³⁾。

治療が失敗する主な原因は、

・根管内に細菌が多く残ること
・治療後に細菌が再侵入すること

の2つです。

まず大切なのは感染した歯質を取り除くこと

根管治療というと、根の中の治療というイメージを持たれる方が多いかもしれません。

しかし実際には、むし歯や古い被せ物のすき間に存在する細菌も重要な感染源となります。

そのため、根管治療を始める前に感染した歯質や劣化した被せ物や詰め物を丁寧に除去することを重視しています。

根管内を丁寧に洗浄する

歯の根の中は非常に複雑な形をしています。

細かな枝分かれや凹凸があり、器具だけですべてを清掃することはできません。

そこで重要になるのが洗浄です。

根管内の洗浄には、次亜塩素酸ナトリウム(消毒作用のある洗浄液)やEDTA(根管壁の汚れを落とす薬液)といった洗浄液を用います。

さらに超音波を併用することで洗浄液の効果を高め、より効率的な洗浄を目指しています。

治療中の汚染をできるだけ防ぐ

根管治療では、根の中の細菌を減らすことだけでなく、新たな細菌を入れないことも重要です。

どれだけ丁寧に洗浄しても、治療中に細菌が入り込めば再感染の原因になることがあります。

症例に応じてラバーダム防湿(歯にゴムのシートをかけて、治療中に唾液が入らないようにする処置)や治療環境を整えるための前処置を行うほか、治療前に抗菌性洗口剤によるうがいをお願いしております。

治療後に細菌を再侵入させない

根管治療が終わった後も重要なことがあります。

それは、細菌を再び歯の中へ入れないことです。

被せ物や詰め物と歯の境目にすき間があると、そこから細菌が侵入し、再感染の原因となることがあります⁴⁾。

根管治療を行った歯を長持ちさせるためには、根の中の治療だけでなく、その後の被せ物や詰め物も重要です。

保険診療・自費診療を問わず、被せ物や詰め物と歯との間にすき間が少ないことが重要です。

被せ物や詰め物の精度は、歯科医師の治療だけで決まるものではありません。実際に製作を担当する技工士の技術も重要な要素です。

当院には院内技工士がおり、歯科医師と密に連携しながら被せ物や詰め物を製作しています。

実際に歯を削った歯科医師と技工士が直接情報を共有できることは、精度の高い被せ物や詰め物を作る上で大きな利点だと考えています。

また、むし歯が深く進行している場合には、そのまま被せ物を作るのではなく、長期的に細菌が入りにくい状態を作るための前処置を行うこともあります。

私たちは、根管治療からその後の修復治療までを一連の治療と考えています。

当院が大切にしていること

根管治療にはさまざまな器械や材料があります。

しかし、それらは基本的な治療をより確実に行うための手段です。

感染した歯質を取り除くこと。

根管内を丁寧に洗浄すること。

治療中の汚染を防ぐこと。

治療後の再感染を防ぐこと。

歯を長く残すためには、こうした基本を一つひとつ確実に積み重ねることが重要であると私たちは考えています。

参考文献

  1. Ng YL, Mann V, Gulabivala K. Outcome of primary root canal treatment: systematic review of the literature – Part 2. Influence of clinical factors. Int Endod J. 2008;41(1):6-31.
  2. Siqueira JF Jr, Rôças IN. Clinical implications and microbiology of bacterial persistence after treatment procedures. J Endod. 2008;34(11):1291-1301.
  3. Sjögren U, Figdor D, Persson S, Sundqvist G. Influence of infection at the time of root filling on the outcome of endodontic treatment of teeth with apical periodontitis. Int Endod J. 1997;30(5):297-306.
  4. Ray HA, Trope M. Periapical status of endodontically treated teeth in relation to the technical quality of the root filling and the coronal restoration. Int Endod J. 1995;28(1):12-18.

診療時間

※最終受付は診療時間の30分前(予約制)です


駐車場あり 川崎市宮前区神木1-5-2

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