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毎日しっかり歯みがきをしているのに、「歯ぐきの腫れがなかなか改善しない」と感じたことはありませんか?
実は歯周病は歯みがきだけでなく、全身の健康状態や生活習慣とも関係していることが分かってきています。
近年は睡眠と全身の健康との関連について研究が進められており、歯周病との関係についても報告が増えてきています。
今回は、睡眠時間と歯周病の進行との関連を調べた研究をご紹介します。
約1万5,000人を対象とした研究
岡山大学の研究グループは、睡眠時間と歯周病進行との関連について調査を行いました¹)。
2023年度および2024年度のインターネット調査参加者のうち、調査開始時点で重度歯周病ではない14,927人を対象に追跡調査を実施しています。
その結果、1年間で1,548人(10.4%)が重度歯周病へ進行していました。
睡眠時間5時間以下と歯周病進行との関
解析の結果、年齢や歯みがきの頻度、糖尿病、喫煙歴などの影響を考慮したうえでも、睡眠時間が5時間以下であることが歯周病の進行と関連していることが示されました。⑴
睡眠時間が5時間以下の人は、それ以上睡眠をとる人と比べて、重度歯周病へ進行するリスクが約1.3倍高いことが示されました。
この差は喫煙や糖尿病ほど大きなものではありませんが、睡眠も歯周病に関わる要因の一つである可能性が示されています。

なぜ睡眠が関係するのでしょうか
睡眠不足は、免疫機能の低下、炎症反応の増加、血糖コントロールへの影響などを通じて、全身の健康に影響すると考えられています。
実際に、米国カーネギーメロン大学の研究では、睡眠時間が6時間未満の人は、7時間以上眠る人と比べて風邪を発症するリスクが高かったことが報告されています。⑵
睡眠不足が免疫機能に影響することは、さまざまな研究で示されています。
歯周病は、歯周病菌と体の免疫機能とのせめぎ合いによって進行する病気です。
免疫機能が正常に働いていれば細菌の増殖や炎症を抑えることができますが、睡眠不足などによって体の調子が乱れると、歯ぐきにも影響が及ぶ可能性があります。
今回の研究は、睡眠という生活習慣がお口の健康にも関係している可能性を示した報告といえるでしょう。

この研究から分かること
今回の研究は約1万5,000人を1年間追跡した、比較的大規模な調査です。
一方で、歯周病の判定や睡眠時間は自己申告に基づいており、この研究だけで睡眠不足が歯周病の直接的な原因であると断定することはできません。
しかし、睡眠時間が短いことが歯周病進行のリスク要因の一つである可能性を示した研究結果として注目されています。
まとめ
今回紹介した研究では、睡眠時間が5時間以下の人は、歯周病が進行しやすい可能性があることが報告されました。⑴
睡眠は体を休ませるだけでなく、免疫機能を維持するうえでも重要な役割を担っています。
歯周病は歯周病菌と体の免疫機能とのせめぎ合いによって進行する病気です。
歯周病予防というと歯みがきに意識が向きがちですが、睡眠を含めた生活習慣も、お口の健康に影響している可能性があります。
お口の健康を考えるときは、歯だけでなく全身の健康にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

参考文献
1)糸井花音,竹内倫子,丸山貴之,江國大輔.睡眠と歯周病の進行との関連:コホート研究.口腔衛生学会雑誌.第76巻増刊号,2026:P-91.
2)Cohen S, Doyle WJ, Alper CM, Janicki-Deverts D, Turner RB. Sleep Habits and Susceptibility to the Common Cold. Archives of Internal Medicine. 2009;169(1):62-67.







