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2026.05.29
お口の健康
孤独な高校生ほど歯を磨かない?

子どもも大人も、スマートフォンを見る時間が当たり前になった時代。
一方で、「孤独」を感じる人が増えているとも言われています。
そしてその影響は、実は“口の健康”にも現れています。
最新の研究では、孤独感が生活習慣や口の健康と関連していることが示されました。

福岡県の高校生1,700人以上を対象にした調査では、孤独感を抱える高校生ほど、

・歯みがき回数が少ない
・デンタルフロスなどを使わない
・朝食を抜きやすい
・スマホ依存傾向が強い

という結果が報告されています[1]。

一見すると関係がなさそうな「孤独」と「歯みがき」。
しかし、心の状態と生活習慣には深い関係があることが、
これまでの研究でも報告されています。


孤独感と生活習慣の乱れ

孤独感は、食生活や健康行動の乱れと関連することが報告されています[2][3]。

孤独感が強いと、夜遅くまでスマートフォンを使用する傾向が強まり、
睡眠時間の不足につながることがあります。

その結果、

・朝起きるのがつらい
・朝食を食べる余裕がない
・歯みがきが面倒になる

など、生活習慣の乱れにつながる悪循環が生じます。


「口の健康」は心の状態も映している

歯みがきや口腔ケアは、単に虫歯を防ぐだけではありません。

最近では、

・睡眠
・食生活
・自己肯定感
・メンタルヘルス

などとの関連も注目されています。

つまり、「歯を磨かない」という行動の背景には、単なる“サボり”ではなく、

心の問題や生活環境が隠れている場合があります。


やさしい声かけが安心につながる

もし、

・朝食を食べない
・歯みがきを嫌がる
・夜遅くまでスマホを触っている
・人付き合いを避ける

といった変化が続いている場合は、
生活習慣だけでなく、その背景にある孤独感にも目を向けることが大切です。

特に思春期は、自分の気持ちをうまく言葉にできないこともあります。

だからこそ、

「なんで歯を磨かないの?」
「スマホばかり見ないで」

と注意する前に、

「最近どう?」
「疲れてない?」

そんなやさしい声かけが、子どもの安心感につながることがあります。


まとめ

“歯”の問題に見えて、
実はその背景には「心の孤独」が隠れています。

口の健康と心の健康は、切り離せないものです。

歯を診る。
でも本当に向き合うべきなのは、
その人の生活や心なのだと思っています。

私も日々の診療の中で、
口の健康と心のつながりを感じています。


参考文献

[1] 白木 光, 角田聡子, 岩崎正則, 堀川真央, 相良吉人, 安細敏弘
「高校生における孤独感と口腔保健行動、食行動およびスマートフォン依存との関連」
九州歯科大学・北海道大学大学院歯学研究院(学会抄録)

[2] Cacioppo JT, Hawkley LC.
Perceived social isolation and cognition.
Trends in Cognitive Sciences. 2009;13(10):447-454.

[3] Holt-Lunstad J, Smith TB, Baker M, Harris T, Stephenson D.
Loneliness and social isolation as risk factors for mortality: a meta-analytic review.
Perspectives on Psychological Science. 2015;10(2):227-237.

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