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2026.06.10
お口の健康
「歯みがきは3分」が正解?

実は“人によって違う”って知っていますか?

「歯みがきは1回3分しましょう」

一度は聞いたことがありますよね。

厚生労働省が実施している「歯科疾患実態調査」では、歯みがき回数は「1日2回」という人が最も多いとされています。⑴

また、実際の平均ブラッシング時間は約45秒という報告もあります。⑵

一般的には、毎食後に3分程度の歯みがきが推奨されており、28本(親知らずを含めると32本)の歯の汚れを落とすには、最低でも3分程度は必要とも言われています。

しかし実際には、全員に“3分”が正解というわけではありません。


歯みがき時間は、人によって違います

最近の予防歯科では、

  • お口の状態
  • 歯の本数や歯並び
  • 被せ物や入れ歯の有無
  • 虫歯・歯周病リスク
  • プラークの付きやすさ
  • 磨き方

によって、必要なブラッシング時間は変わると考えられています。。


大切なのは「時間」より「汚れが落ちているか」

歯周病予防で大切なのは、歯ぐきのまわりのプラーク(細菌のかたまり)をしっかり落とすことです。

短時間でも丁寧に磨ける人もいれば、時間をかけないと磨き残しが多い人もいます。

例えば、

  • 歯が多く残っている方
  • 歯並びが複雑な方
  • 歯周ポケットが深い方
  • 被せ物やブリッジが多い方
  • 部分入れ歯の鉤歯がある方

では、より丁寧な清掃が必要になります。

特に鉤歯(こうし)は、入れ歯のバネがかかることで汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、ブラッシングに時間がかかることがあります。


プラークの“ネバつき”でも変わります

プラークには、

  • 落としやすいもの
  • ネバついて落としにくいもの

があります。

特に、砂糖(ショ糖)を多く摂る食生活では、細菌が“ネバネバ成分(不溶性グルカン)”を作りやすくなります。

このネバネバ成分によって、プラークは歯に強く付着しやすくなり、歯みがきで落とすのに時間がかかる場合があります。⑶

甘い飲み物や間食が多い方では、より丁寧なブラッシングが必要になることもあります。


虫歯予防では「フッ素」も重要です

虫歯予防では、歯みがきで汚れを落とすことに加えて、歯を守る環境を作ることも大切です。

そこで重要になるのが、フッ化物(フッ素)配合の歯みがき粉です。

研究では、

  • 30秒より
  • 2〜3分しっかり磨いたほうが

お口の中にフッ素が残りやすいことが分かっています。⑷

丁寧に時間をかけて磨くことで、歯の表面にフッ素が行き渡りやすくなり、虫歯予防効果を高めることにつながります。


歯みがき粉は「使い方」も大切

歯みがき粉は、「汚れを落とす」だけではなく、虫歯や歯周病の予防を助ける役割もあります。

フッ化物配合の歯みがき粉は、歯を強くして虫歯を予防する効果があります。

また、歯周病予防では、歯ぐきの近くまでしっかりブラシを当てて、プラークを除去することが大切です。

大切なのは、

  • 適切な量を使う
  • 丁寧に磨く
  • 毎日続ける

ことです。


フッ素入り歯みがき粉を使った後は、すすぎすぎない

フッ化物配合の歯みがき粉を使った後に何度もうがいをすると、せっかくのフッ化物が流れやすくなります。

そのため、虫歯予防の観点では、少ない水で軽く1回すすぐ程度が推奨されています。

ただし、これは「フッ素入り歯みがき粉を使った場合」の話です。


長く磨けばいいわけではありません

「丁寧に磨くこと」は大切ですが、必要以上に長時間ブラッシングすると、歯や歯ぐきを傷つけてしまうことがあります。

強い力で長時間磨き続けると、

  • 歯ぐきが下がる
  • 歯が削れる
  • 知覚過敏が起こる

など、“オーバーブラッシング”の原因になることがあります。

特に、「ながら磨き」は注意が必要です。

スマホを見ながら、テレビを見ながらの歯みがきは、無意識に同じ場所を長時間こすってしまい、歯ぐきを傷つけていることがあります。

「長く磨くこと」ではなく、

「適切な力で、必要な場所をきちんと磨くこと」

が大切です。


「3分」はあくまで目安

実際には、

  • お子さん
  • 矯正中の方
  • 歯周病がある方
  • 磨き残しが多い方

では必要な時間は変わります。

特に歯周病治療中の方では、5〜10分ほどかけて丁寧に磨くことも珍しくありません。

逆に、磨き方が上手な人なら、短時間でもきれいに磨けることがあります。


まとめ

「3分磨けば安心」ではなく、

  • 自分のお口に合った磨き方
  • 汚れをしっかり落とせているか
  • フッ化物を活かせているか
  • 適切な力で磨けているか

が大切です。

毎日の歯みがきは、“時間”より“質”を意識してみましょう。

参考文献

  1. 厚生労働省
    令和4年 歯科疾患実態調査.

歯みがき回数は「1日2回」が最も多いと報告。


  1. Ritz HL.
    Microbial population shifts in developing human dental plaque.
    Arch Oral Biol. 1967;12(12):1561-1568.

プラーク形成と口腔細菌叢の変化、歯周病との関連を示した研究。


  1. Creeth JE, et al.
    The effect of brushing time and dentifrice on dental plaque removal in vivo.
    J Dent Hyg. 2009;83(3):111-116.

実際の平均ブラッシング時間は約45秒とされ、ブラッシング時間が長いほどプラーク除去率が向上すると報告。


  1. Bowen WH, Koo H.
    Biology of Streptococcus mutans-Derived Glucosyltransferases: Role in Extracellular Matrix Formation of Cariogenic Biofilms.
    Caries Res. 2011;45(1):69-86.

ショ糖から作られる不溶性グルカンが、プラークの粘着性と歯面付着性を高めることを報告。


  1. Zero DT, et al.
    The effect of brushing time and dentifrice quantity on fluoride delivery in vivo and enamel surface microhardness in situ.
    Caries Res. 2010;44(2):90-100.

ブラッシング時間が長いほど、フッ化物保持量が増加することを報告。

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※最終受付は診療時間の30分前(予約制)です


駐車場あり 川崎市宮前区神木1-5-2

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